人事労務相談

人事労務のご相談は、範囲がとても幅広いものです。
たとえば、同じ【遅刻が多い】という事案であっても、その人の置かれている状況、勤務態度、勤務成績、過去の会社の対応などによってその先の会社の処遇が変わります。
これは人間が感情を持つ動物である以上、永久不変のものだと思います。

具体的事例を多く取り扱う社労士に、解決方法が聞けると、無駄な悩みやストレスを抱える時間が短縮でき、ビジネスが加速します。
人事労務のご相談は顧問契約で対応いたします。

下記に、ご相談事例の一部をご紹介いたします。

社員が急に「辞めたい」と言い出したが、辞めてもらっては困るのだが…

A.基本的に社員の退職(職業選択)は自由です。

辞めてほしくない社員からの退職の申し出は、経営者としては本当に辛いものです。
しかしながら、辞めたいといっている社員を引き止めても、社員はすでにやる気をなくし、経営者としてもその社員の雇用維持のために多くの悩みを抱えることになり、お互いにあまり良い効果は期待できないのではないでしょうか?

社員が「辞めたい」と言い出したら、ある程度引き止める説得は必要ですが、それにはそれなりの説得するツール(昇給・昇進(もしかしたら降級?)・休職など)を準備してみる必要があります。
しかし、それでも気が変わらないようであれば別の道を歩ませてあげるのも経営者としての一つの決断ではないかと思います。

民法では、雇用期間の定めのない契約は14日前に申し出ることで退職できることになります。
ただし、賃金締日のある場合は、その賃金計算期間のある場合は、その計算期間の前半に申し出なければならないとしていますので、たとえば毎月末日締めの給与の場合は、毎月15日までに申し出ることで、月末退職となります。

また、このケースで毎月16日に申し出る場合は、翌月末日まで勤務となります。
ただし、就業規則に「退職する場合は30日前に申し出る」という記載がある場合は、就業規則が優先しますので、16日に申し出た社員は、翌月の16日を以って退職できることになります。

(参考条文)

民法627条

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

辞める社員に賞与を支払う場合、他の社員と特別扱いしないようにするには…

A. 賞与支給日まで退職日をずらしてもらいましょう。

たとえば、今まで貢献してくれたのに、賞与支給日の5日前に自己都合退職する場合などは、せめて最後の賞与くらいは支払いたいという場合もあるかと思います。そのような場合でも、退職後に支払うことになれば退職金となりますから、それが慣習とみなされ、他の社員にも同じように扱わなければならなくなります。
また、退職後の給付となれば場合によっては会社の交際費とみなされ、一部損金ではなくなることも考えられます。

そのような場合は、賞与の支給日をずらすことはできなくても、退職日を賞与支給日以降にしてもらいましょう。経営者と退職する社員とで話し合い、両者が合意すれば退職日を延ばすことは当事者の自由です。
ただし、延長すると社会保険料が増えるという問題が発生しますから、退職する日付には十分注意が必要です。(つまり月末の4日前くらいの退職予定ですとこの問題が発生します。)

請負と正規雇用、期間雇用のメリット・デメリットは?

請 負

メリット
  • ・労災保険は個人で加入のため会社負担がない。
  • ・使用する道具や作業服なども本人が自分で用意する。(会社の経費として発生しない)
  • ・専門技術を必要なとき、必要な分だけの依頼が可能である。
  • ・外注費は請負金額等に応じて変動が可能である。(例:今月は150万、来月は0円など)
  • ・消費税法上、課税仕入になる。
  • ・労働基準法の縛りをまったく受けない。
デメリット
  • ・業務提供の時間・日程などを指定しにくい。(本来の請負契約は原則として、時間的、場所的制約がなく自由である事が条件とされます)
  • ・業務請負のため、遅刻・早退・欠勤控除という概念が無い。
  • ・本人が数社同じような仕事を請け負うことも可能であるため、その人の技術・能力は他の場所でも使われることになる。

雇用 (完全雇用)

メリット
  • ・業務提供の時間・日程・場所の管理が出来ること。
  • ・本人の技術・能力を自社のために専属で使用することが出来る。(社長の右腕や左腕として、など)
  • ・必要経費を会社が指示することが出来る。
デメリット
  • ・労働時間が賃金基礎になるので、時間さえ働けばよいという感覚を労働者が持ちやすい。
  • ・賃金になるので最低賃金法・労働基準法の適用を受ける。当然ながら残業手当なども支払い対象。賃金の変動も最低賃金以上でなければならないし、あまりに高額な賃金も他の社員とのバランスなども考える必要がある。
  • ・労災保険はもとより、雇用保険、社会保険の加入も必要である(法廷福利費や法定外福利費などの負担増)
  • ・雇用契約を結んだ以上、解雇制限を受ける。(ちなみに、仕事がないから今日は休んで下さい。というのもNG。休業手当の支払い義務の発生)
  • ・消費税課税対象外になる。

臨時雇用(期間雇用)

メリット
  • ・契約期間だけの業務提供なので、雇用調整が可能である。
  • ・一応社員なので時間や場所の制約が出来る。
  • ・本人の持つ技術・能力を一時的に利用できる。
    (自社にない技術・能力を一時的に利用可能)
  • ・正社員として本採用の前に、試用期間として期間を区切って雇用することも可能である。(ただし、2ヶ月を超える雇用契約を結ぶ場合は、社会保険に加入しなければならなくなるので注意が必要)
デメリット
  • ・契約期間が最長で3年しか結べない。(ただし2ヶ月を超える雇用契約は社会保険加入が原則。未加入の場合は遡及して最大2年間まで保険料の徴収が行われる場合もある。)
  • ・消費税課税対象外になる。
  • ・正規雇用と同じく労働基準法・最低賃金法の適用を受けるため、当然解雇制限や残業手当の支払いなどが発生する。